包丁研ぎの沼にハマった人が、良い砥石を探す際にたどり着く「シャプトン 刃の黒幕」シリーズ。
私が愛用している「高村刃物製作所」の牛刀・ペティナイフ(材質は粉末ハイス鋼のSG2)の説明書でも、刃の黒幕がおすすめされていました。
切れ味が落ちましたら砥石で研いで下さい。砥石はシャプトン刃の黒幕、荒砥#320・中砥#1000・仕上げ砥#5000をおすすめします。
(引用)高村刃物製作所
私もAmazonで買った安物の砥石を卒業し、刃の黒幕#1000と#5000の組み合わせを買う気満々だったのですが…
色々と調べるうちに、どうしても以下2点(デメリット)が気になってしまい購入を断念しました。
②砥石が薄い(新品で厚さ15mm)
①砥石が変質する恐れがある(アルカリ性にも注意)
マニアックな話ですが、砥石には3つの製法があるそうです。
刃の黒幕はセメントを硬化させて作る「マグネシア製法」が採用されており、その特性から水にさらされる時間が長いと変質するそうです。
製法 | 特徴 |
ビトリファイド製法 | 研磨力◎ 変質がない 刃先にダメージ |
レジノイド製法 | 研ぎやすい 滑走感がよい 力の入れすぎ注意 |
マグネシア製法 | 面研ぎに使いやすい 滑走感がよい 変質とアルカリ性に注意 |
(引用)日本包丁研ぎ協会
そのため、刃の黒幕にも以下の注意書きがあります。
水に浸けたまま30分以上放置しないでください。砥石表面が軟化し、本来の研ぎ感が損なわれます。
(引用)シャプトン
一般家庭で包丁を1本研ぐには問題ないと思いますが、仕事や趣味で包丁を複数本まとめて研ぐような方には適さないかもしれません。
また、マグネシア製法の砥石はアルカリ性ですが、包丁を使って切る食材は酸性なんだとか。
つまり、もし洗いが足りなければ食材の味や質に影響がでるということです。
ちゃんと洗えば問題ないですが、研ぎの沼にハマったマニアには面白い豆知識かなと思います(笑)
ちなみに上記の知識(ウンチク)は、全て以下「日本包丁研ぎ協会」の動画から引用したものです。
もっと詳しい内容が知りたい方はご覧になってみてはいかがでしょうか。
②砥石が薄い(新品で厚さ15mm)
もう一つの理由は、砥石の薄さです。
けっこう良いお値段する割には、コスパが悪いように思います。
例えば「研承 頂#1000」と比較すると以下の通りです。
パッと見は「研承たけぇな!」なのですが、厚さ1mmあたりの値段で考えると、刃の黒幕の方が高いです。
砥石 | 値段 | 厚さ | 厚さ1mmあたりの値段 |
黒幕 #1000 | 3,370円 | 15mm | 約225円 |
研承 頂#1000 | 4,800円 | 25mm | 192円 |
また、私は砥石ホルダーを使って包丁を研ぎますので、砥石が減って薄くなると非常に研ぎにくいです。
以下は私が初めて買った安物の砥石ですが、砥石とホルダーの溝の高さがツラになっています。
もう少し減ると、ホルダーに包丁が当たって研ぎにくいでしょう。
どの砥石もいずれはこうなる訳ですが、新品が15mmだとおよそ半分減っただけで、この現象に陥ります。
使わない砥石に貼り合わせて使うなど対策を考えないといけないですが、面倒臭いですよね。
刃の黒幕はどこで売っている?最安値は?
買って使ったこともないくせに散々書いてしまいましたが(シャプトンさんごめんなさい)、世の中の評判は非常に高く、きっと良い砥石なんだと思います。
高村刃物製作所が推奨するぐらいですので。
特に家庭使いで、上記のデメリット2点が気にならない方には、良い選択肢になるのではないでしょうか。
ネット通販で広く販売されており、入手しやすい点はメリットと言えるでしょう。
私も元々は刃の黒幕を買う気満々だったので調べまくりましたが、お値段的にはAmazonが1番安そうです。
※楽天やyahooショッピングでポイント高還元が見込める方は、この限りではないかも
ちなみに東急ハンズ(実店舗)でも見てみましたが、#1000で5,000円以上した気がします(詳しく覚えておらずアバウトですみません)
お値段的にはネット通販一択ですね。
結局私が購入した砥石は?
刃の黒幕を断念した私が、最終的に購入したのは「研承」シリーズです。
上記で紹介しました、「日本包丁研ぎ協会」の動画で力説れている、代表理事の藤原さんが製造・販売されている砥石になります。

在庫の関係上、まだ仕上げ砥石が入手できていなかったりという状況ですので、この辺りはまた詳しく書こうと思います。
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