釣りは楽しく!美味しく!
ザ・フィッシングにもよく出演される、博多の釣りガールみっぴこと秋丸美帆さんの座右の銘です。
私も釣りの醍醐味は、自宅に帰ったあとも食を楽しめる点だと思っています。ここで重要となるのが活〆・血抜きです。釣り場での処理1つで鮮度や味に大きな差が生まれます。
また、魚の命を頂くことになりますので、なるべく楽に丁寧に処理してあげてたいものです。
本日は、釣り人が釣り場(船上、磯など)でも出来る、活〆(血抜き)方法について紹介していきます。
活〆・血抜きとは?
活魚を麻痺させて素早く脳死状態とした後にさらに血抜きをし、鮮度を保つ方法です。
江戸時代初期の日本で開発された処理方法であり、日本国内に限っては伝統的技術として広く用いられてきた。また、英語でも “ikejime” と呼ばれるようになり、英仏などでブランド化している。
(出典)wikipedia
また、締め方には野〆と呼ばれるものもあり、魚をそのまま氷水に放り込んで〆る方法です。
こちらは釣り人というよりかは、もっぱら魚を大量に扱う漁師さんが用いる方法かと思います。
活〆・血抜き界の巨匠2人を紹介【この方法を真似すべし】
勝手に活〆・血抜き界の巨匠と呼ばせていただきました。魚への想い・愛に溢れ、非常に論理的な方法を展開されているお2人です。
基本的な処理のポイント同じですが、やり方や道具も異なるので面白いので紹介していきます。
上田勝彦さん(通称:ウエカツ)
長崎大学水産学部を卒業後に水産庁で勤務されています。退職後には、株式会社ウエカツ水産を設立し、テレビや雑誌・料理講習などを通して全国で活動されており、「魚の伝道師」と呼ばれているそうです。
1.即殺(手鉤を使って脳天〆)
2.血抜き
3.神経〆
ここで最も重要なポイントは、2.の血抜きになるかと思います。
ウエカツさんは血圧が下がらないようにして心臓のポンプを使い毛細血管の血まで抜くことを奨励されていますので、片側のエラから大動脈を一か所だけ傷つけ、心臓を傷つけないこと・しっぽを切らないことが大事です。
血か出たら海水を組んだバケツなどに魚を入れ、血が抜けきるのを待ちましょう。
血抜き後は神経締めをします。既に血は抜けきっているので、しっぽを切って神経棒を通せばOKです。
ウエカツさんは漁業関係者向けに、魚の価値を落とさない(なるべく傷つけない)頭側から神経棒を通す方法を紹介されていますが、自分で食べる分には尻尾を切った方が手っ取り早いです。
魚の簡単な構造、神経や動脈の位置などはイラストを参照ください(汚い手書きですみません)
その他、以下のポイントも紹介されています。
→魚があばれて身を打ち付けるとうっ血します。人間と一緒ですね。
・冷やしすぎない
→エネルギーの消費を抑制します。つまり味を落とさないということです。
詳細は以下の動画をご覧ください。私は10回以上見てます。
また、ウエカツ流 魚の〆方を実現するツールも販売されていますので興味のある方はご覧ください。
>ウエカツ監修 TK式〆具
津本光弘さん(津本式 究極の血抜き)
宮崎の長谷川水産にお勤めで、究極の血抜きをパワーワードにyoutubeでも活動されています。
2019年8月末現在でチャンネル登録数13.7万人です。
宮崎にお住まいなのに関西弁が特徴的ですが、どうやらサーフィン好きが高じて大阪→宮崎へ移住されたとのことです。
1.脳天〆
2.尻尾を切って神経〆
3.究極の血抜き
究極の血抜きとは、エラ膜&大動脈を切って血抜きをした後、エラからホースを差し込み水圧をかけることで、大小血管の中の血を抜く作業になります。この際の水は海水ではなく真水(水道水)ですが、むしろ真水の方がいいそうです。
津本さんの生業は仲卸しで、魚を仕立ててお客様(料亭など)に納められています。そのため、ウエカツさんの心臓をポンプとして血を抜くやり方とは違いますが、仕立てのプロならではの方法ですね。
その他、釣り場で出来る処理として、以下のポイントも紹介されています。
→血抜きの際、魚を振るのは血が固まるのを抑制するためとのこと。釣り場でも脳天〆&神経締めは忘れずに。
・家に持ち帰った後、究極の血抜きをする
また、津本氏の神髄は究極の血抜きをした状態から、魚を熟成させ更にクォリティを高めるところにあります。内臓の処理や、熟成させる際の魚の梱包方法など動画を参照ください。
また、津本式 魚の〆方を実現するツールも販売されていますので興味のある方はご覧ください。
>津本光弘監修 津本式ツール
ウエカツ流&津本式を取り入れた釣り人の最適な処理方法
以下の方法は、ウエカツさんと津本さんの動画を見まくった私が、主にオフショアジギングで青物やタイなどを処理するときの方法ですので、参考にしてください。
→こちらはウエカツ流&津本式共通です。ウエカツさんが奨励されている手鉤があったほうが安全でやりやすいですが、ナイフでも必要十分です。また、夏場は魚を置くところがアツアツになっていないか配慮が必要です。
2.血抜き
→ウエカツ流血抜きを行います。釣りあげたばかりの魚は心拍数&血圧も高くなっていると思うので、こちらの方法が理に適うと思うからです。片側のエラから大動脈を傷つけ、海水の中で心臓のポンプを使い血を抜きます。たまに魚を振ってあげて血が固まらないようにします。
3.神経締め
→津本式の神経締めを行います。尻尾を切って神経棒を通しましょう。
4.クーラーに入れて持ち帰り
→魚を冷やしすぎないようにするためおススメなのは、帰港後に〆ることです。生け簀のある船限定の方法になりますが、氷の量を調整して持ち帰ることができます。
5.家に帰って究極の血抜き
→現場でウエカツ流血抜きをしていますが、さらに津本式究極の血抜きをします。終わった後は20~30分魚を立てて水を切りましょう。(釣った魚の最適な処理編 vol.111 13:10~参照)
おススメの神経棒は、「ルミカ(日本化学発光) 神経締めセット・ロング 」です。脳天〆用の手鉤は持っていませんが、「ナカジマ 手かぎっ子 ショート」が使いやすそうで気になっています。
まとめ:釣りは楽しく!美味しく!
本日は、釣り人が釣り場でも出来る、活〆(血抜き)方法について紹介しました。
一見面倒かもしれませんが、皆様の事情に合わせてやれることだけやりましょう。魚を各段に美味しくいただくことができます。ぜひ自分なりの方法をみつけてください。
また、ここまで良い処理をした魚は、津本さんが奨励されている通り熟成することでクォリティが格段に向上します。
私は青物:2~3日程度、鯛:4~5日程度、根魚7日程度熟成することもあります。(ブリは線虫ごと熟成してしまう場合があるので毎度ヒヤヒヤしてますが笑)
皆さんのフィッシングライフがより楽しめるよう、今回ご紹介した2人の動画をご覧いただき、自分なりに業を吸収することをおススメします。
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